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思いついたときにただ色々書いています

正解のない音楽の象徴

高校時代に所属していた吹奏楽部は、県内で5本指に入るほどの実力を持つ強豪部活だった。「高校時代の思い出は?」と聞かれたら「吹奏楽部です」と即答できるほど、毎日が音楽三昧だった。シャープペンシルより、楽器を持っていた時間の方が圧倒的に多い。先…

さっきよりももっと大切でくだらない話

つるっとした手触りの箱を開けると、ブルーベリーの甘い香りがする。子どもの頃、車を運転する父親が噛んでいたガムみたいな香り。子どもみたいに、どれにしようかなんて選ばない。ライターを握り締めた手で1本を掴み、いつの間にか箱はポケットの中へと戻る…

おはぎ→はぎ

"はぎ"、と名づけたのは、我が家の先住猫5匹がきなこ、もち、ごま、ずん、つぶ(+5匹に加えてもう1匹、ひいきにしている外猫をあん)と、"おはぎ"にちなんだ名前を持っており、おはぎってただでさえバリエーションが少ないのでもうネタがなく、「じゃあもう"お…

雑な占い、ネモフィラの青

今週のはじめは、酷く苦しかった。 「続いていたものが終わります」。ふと見た雑な占いのその一文が纏わりついていた日、確かにそれは命中した。お見事。もしかしたらあの雑な占いはこれから先続く自分の未来をもズバズバと当てていくのではと思いSNSを辿っ…

揺らぎ

夕刻。人声に招かれて、自室から一階のリビングへと向かった。戸を開けると、リビングを大きく包み込んでいるストーブから焚かれた温風が、私のいる冷たい廊下へと流れ込む。「気持ち悪い」と思った。気づけばそれを声に出していて、そこに居た人に「何が?…

無線イヤホンの充電器、屋根に登る猫、末っ子。

充電器のコードには色々種類がある。例えばiPhoneはLightningケーブル、ノートパソコンなどには USBType-Cケーブル、AndroidやワイヤレスイヤホンなどはmicroUSBケーブルが使われる。冬場はやっぱり空気が乾燥していて喉が痛むので、モバイル加湿器が必要だ…

子猫の抱擁

雨の降る神社で抱いた子猫のことを想った。 たった一言、自分の性別に関わることを言われた時、私は憎悪と怒りに押しつぶされ、今にもこの人に向けて罵声を挙げそうになった。だけどそれは決して誰も得をしないことを分かっていたから、「失礼だな~」などと…

まん丸ビー玉

わたしは承認欲求がとても高いから、こうして時折自分の話をお気に入りの手帳みたいなブログに書き留めては掲載しないと、何かとうまくいかないのである。ただのブログのことを”お気に入りの手帳みたいなブログ”とわざわざ言い換えるのは、小袋成彬が自身の…

ましろ

運動会のかけっこ、一等になればもらえた金メダル。メダルの中には四角く折り畳まれた紙が入っていて、その真ん中の部分が向日葵花みたいだと思った。光に反射して壁に虹ができる、きらきらした模様が施された”足が速くなる靴”を、みんながこぞって履いて走…

折れ線模様

少し伸びた爪たちが思いきり真上に沿ったせいで、彼女は痛っと声をあげた。 「みて、これ。模様みたい」 爪に入った谷折りの折れ線。わたしはそれをよく見るために、その手を自分の方に引き寄せて、両手で折れ線をなぞりあげた。「かわいい」「え?」「なんか…

エメラルドグリーンの秋風

一晩中つけていたエアコンを消して窓を開けると、台風接近による秋の風が吹いていた。その風にのって、子供の"鳴き声"が聞こえる。朝から泣いてしまうなんて、いったいどんな悲しみ、怒りがあなたに訪れたのか。一晩中泣き腫らしていた自身に自問自答するよ…

麦雨

雨の音と扇風機の回る音が入り混じり、それはもう完全なる「夏」。最近は太陽の光が当たらない梅雨のせいで、暑いというより"蒸し"暑く、気温自体はそこまで上がらないために足が冷えると言いながら、母は眠るとき靴下を履いた。五本指のソックス。指それぞ…

猫と若者

やけに背中の、Tシャツのタグが当たるところだけが気になって、くすぐったいから爪でガリガリとかいた。子猫が慣れない手つきで爪を研ぐように、若干届きにくい場所をガリガリとかいた。この自粛期間中はそれがいつもで、そのせいで、鏡にふと背中を向けたと…

愛がなんだ、なんなんだよ

作品の中の恋愛って、あくまでも作品だから、やっぱり作品じみていて、人工的で、時に AI しか言えないだろ!と思うクサい台詞があるから機械的でもある。少女漫画やアダルトビデオ、恋愛ドラマ・映画、ラブソング。もちろん作品ならではの良さがある。だけ…

Climax Night

幼い頃、憧れていたもの。 マイケル・ジャクソンのライヴで失神する観客。 雨の中、革製のカバンを傘替わりにして電車沿いの道を走る女子高生。 運転席から駐車券を取る父の横顔(券を口に咥えるのもいいんだよな)。 CDや漫画を片っ端から大人買いすること…

音楽と煙草と、海

真夜中、その友人と遊ぶことは数か月に1回の恒例行事になっていた。 そしてそれは頭の良い遊び方とは言えないものだった。 前回は”フジロックの会場に行くだけ”。今回は”海を見に行く”、というもの。 日を改めて、じゃなくて今から。到底、頭の良い遊び方と…

Suchmos 第一幕閉幕

このなんちゃってライブレポートは、きっと長くなる。 眠れないベッドの上、暇な満員電車、腹痛で篭るトイレで、読んでもらえたら。 誇らしかった。横浜スタジアムまでの道のりで、"Suchmos"と刻まれたタオルを首にかけて歩くことが。「俺たちは今日、ついに…

マチネの終わりに

最近は眠る前の、ストレスやパニック障害による頭痛と吐き気が酷くなるとき、なんとか気を紛らわせよう、落ち着こうと、クラシックギターを聴くようになった。一年前に読了し今年映画化もされた「マチネの終わりに」。読みながら頭の中で鳴り続けた"無伴奏チ…

成人式

妹が使っている国語の教科書が、テーブルの上に乱雑に置いてある。どうやら近々テストが始まるらしく、テストからの一刻も早い解放を願う声が、妹自身と置かれた教科書の中から聞こえた。今じゃ、”期始めテスト”、”教科書”などといった言葉を、久々に使った…

ニキビ

朝と昼の間、目覚める。顔を洗おうと洗面所に立ち、鏡を見る。ニキビが頰にできている。 こいつは今でさえポツリとあるが、次第にゆっくりと顔を侵略していくからタチが悪い。 まるで自身の圧倒的栄養不足と、ホルモンバランスの不安定さ、免疫力低下、その…

くだらないの中に

私が眠ろうとするときに限ってあなたがギターを取り出すから、シングルの布団を一時的に自分の物にすることができた。はいはいその時間ね、と、布団に潜って目を閉じる。E、A、D...わざわざご丁寧にチューニングまでするせいで、中断させることもできなくな…

TL - タイムライン

台風19号直撃の翌日は、仕事だった。 目が覚めても、外から信じられない雨音が聞こえてくることもなかった。再び、普遍的な気候が戻ってきただけ、なんなら少し秋の終わりさえ感じる天気。一日中不安と頭痛を抱えることもなさそうだった。 「群馬はそんなに…

朝と夜の間

朝と夜の間に考えること。 友達が吸った煙草の香りを消したくて開けていた部屋の窓から、夕焼けのような朝焼けが見える。東側だから、朝焼け。当たり前ことだけど、方向感覚がなかったら夕焼けに見えそうな、朝焼け。 出会いと別れを同時に経験している。 だ…

心臓から花が咲く体験

その日は雨が降った。 東京ドームの屋根のある場所へたどり着く道中では、色とりどりの傘を差した人々が歩く。 雨はいつだって私の足取りを重くさせるが、今日は待ちわびた日、雨音さえも音楽の一部に聴こえるくらい、私は上機嫌だった。 赤色と青色の衣類を…

死を恨む

今年の1月1日に彼は亡くなった。 訃報を受けた1月4日から、約1週間、誰とも連絡を取らなかった。連絡をしていられなかった。 なぜ人間は死ななければいけないのかと、馬鹿げた問いの答えを探していた。答えが見つからないことが悔しくて、死というものを激し…

POP VIRUS&LOVE

昨年末、星野源3年ぶりとなるニューアルバム「POP VIRUS」がリリースされた。 [MUSICA]という音楽雑誌。彼が表紙の今月号に掲載されている「POP VIRUS」へのインタビュー。アルバムを既に充分聴き込んでいるつもりであったが、このインタヴューは”もっと聴き…

すげえ人たちと呑んだ

こういう時にかける音楽、なんだっけ。 「あ、この曲、忘年会から帰る終電を待つホームでかけたら最高じゃん」と思った曲があったはずなのに。なかなか思い出せないのは、お酒のせいか? 友達でもなく同い年でもない。職業も出身地もバラバラで、ただ志すも…

勝手にピアノを売られた話

まただ。また、母の話だ。 私と母が未だ冷戦状態にあるのを把握した上でこの内容を読んでほしいことを述べておく(詳細:起きてから後悔するやつ)。 まず冷戦状態で大事なことは ①会話をしない ②同じ空間にいない ③関わらない この3点である。 この3点をきっち…

とある日

分厚い冬用の布団に包まっていてもわかる。今日は寒い。 カーテンが掛かりきれていない二センチくらいの隙間から外を覗く。素晴らしい曇り空に、こちらがどんよりしたくなる気分だ。 今日しようと思っていたことを昨夜考えながら眠ったら、壮大すぎる夢にそ…

朝起きたら後悔する話

母と、長い冷戦状態にいる。 かれこれ1ヶ月が経った。今回はかなり長い戦いで、終わりが見えない。もしかしたら終わらないかもしれない。もう、ダメかもしれない。 4人兄弟の中でランキングをつけるとしたら、堂々の優勝だ。私が1番母と喧嘩をしている(ちな…