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思いついたときにただ色々書いています

とある日

分厚い冬用の布団に包まっていてもわかる。今日は寒い。

カーテンが掛かりきれていない二センチくらいの隙間から外を覗く。素晴らしい曇り空に、こちらがどんよりしたくなる気分だ。

今日しようと思っていたことを昨夜考えながら眠ったら、壮大すぎる夢にそれらを飲み込まれた。何をしようとしたのか、昨日の自分に問いかけても出てこない。前日に張り切ると当日途端にやる気がなくなるから、大抵意気込んでも良いことがない。

母が読んだ後の、若干折り目のついた新聞を用意し、やかんに火をかけ、顔を洗う。対して差のない色味のココアかカフェオレか迷って、ココアにした。さっぱりして戻ると、沸騰したやかんから大量の煙が出ているので焦る。ココアと新聞を片手にヒーターを付け、椅子に腰掛けてから、私の一日が始まる。

待ち遠しかったはずの冬の若干の到来に、気持ちが追いつかない。だから、時速60kmで走る車の窓を全開にした。当然入り込む風は冷たい。が、まだ痛くないのが“若干の”冬だなと思う。“本格的な“冬の風は、怪我するほどに痛い。怪我をしないうちに風に当たっておきたくて、窓は全開のままにした。

寄った本屋で、新作の文庫本を買う。音楽雑誌をいくつか立ち読みして、良さそうなものを一冊買う。CD、DVD、本、漫画、それぞれのレンタル&購入ランキングを見に行って、文房具を無駄に買い、本屋を出た。本屋はSNSと同じくらい、メディアと時代の流行が詰まっている。何の音楽がBGMでかかっているか、雑誌の見出しには誰のアーティスト名が多いか、購入ではなく、何が一番レンタルされているのか。とても勉強になる場所だ。そして立ち読みする雑誌の中に、記憶に残る一文を見つけたので、今日は最高な日だ。

書きたい衝動に駆られ、急いで家に帰る。いくつか思いついた文章を書いて「ダメだ、今日はもう書けない」と思うまで書く。大体熱中していると外はもう暗くなっており、昼食という名の夕食を食べ、夜はもうホットカーペットの暖かさから逃れられない。

日記を書き、カーテンを適当に締めて布団に入り、明日あれとこれをしようと思う。きっと明日には忘れているか、やっぱ辞めようと思うであろうこの意気込みを、気づけば毎日している。

 

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