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思いついたときにただ色々書いています

いつも雨を意識して傘を持ち歩く。特別雨を予想する力を持っているわけではないが、なんとなく、傘を持って歩くのが好きだ。それに夏の天気というのは変わりやすい。

2ヶ月前、星野源というアーティストの音楽を400字で書く機会があった。

<歯磨き、読書、散歩、寝起き、夕飯ー 彼の焦点は日々の生活の中の、私たちに近いところにある。普段過ごす日々を音楽に乗せ平凡を歌い、同時に幸せも歌う。力強い生命力よりも、目が覚めた時の朝日を。沈んだ悲しみよりも、雨音に耳を澄ませられる事を。数々のヒット曲を生み出してきた彼は、どうしても滲み出てしまう人間の中身を、自分らしく音楽に表している。だから、そこに特別なシチュエーションはいらなくて、なんでもない瞬間が自然と寄り添うのだ。そして彼の音楽には、“現代の音楽は、過去に生まれた世界中の音楽に何かしら影響を受けて生まれている“ということを表す『音楽は続いていく』という彼の提示するテーマもころころと転がっている。それらを拾うように聴くたび、私たちの心に音楽へのリスペクト、日々への感謝、生きている幸せをひっそり想わせてくれる。彼自身と彼の音楽はどこまでも素敵だ。>

 


そして2ヶ月後、NHK連続テレビ小説半分、青い。」の主題歌である「アイデア」が配信された。

<雨の中で君と歌おう 音が止まる日まで><雨の音で歌を歌おう 全て越えて響け>

そうそうこの感じ、これが星野源だ。彼を表現する400字よりも、このワンフレーズを聴けば、彼がたとえ雨にさえも抱く物の儚さが伝わるだろう。雨の日でも雨の日でなくても、傘を持って歩くことを肯定してくれているかのような「アイデア」がイヤホンから流れた。

 


幸せでありたい。誰もが抱く感情だ。しかし現実は甘くない。なぜこんなにも、悲しい感情は訪れ、他人に向くジェラシーは情けなく、嫌気が指すことが多いのだろうか。最高な瞬間があっても、頑張って稼いだお金と同様に一瞬で消えてしまうのだろうか。その度に音楽を流し、体に染み込ませる。自身の言葉にならない感情を代弁してくれと願う。雨の中に何も気にせずに飛び込んだ小学生の時のことを思い出して、周囲の目や置かれた環境に負けてしまい、何もできないでいる今の自分に劣等感と嫌悪感を抱き、流れてくる音楽に気持ちを預けてしまう。雨が降っていろうとなかろうと、何も気にせずに飛び込む勇気はどこから湧いてくるのだろうか。果たして星野源も、日々の生活でこんなことを思うのだろうか。

 

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