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思いついたときにただ色々書いています

その人を、仮に“彼”としてみる。

性別は非公開だが、ここでの呼び方は“彼”に統一する。これに引きずられて、“彼”は男性だと推測されそうだが、とにかく“彼”と呼ぶことにする。

「私の車に乗ったことがあるかもしれないし、ないかもしれない」その彼は、窓から入り込む風を涼しそうに浴びていた。朝だったか夕方だったか、それとも深夜だったかは忘れた。私がかける音楽に体を少し揺らせたり、音楽が聴こえなくなるほど喋り倒したり、車内での過ごし方は様々だったが、私が運転する車に高揚する姿は微笑ましかった。

「私の家に遊びにきたことがあるかもしれないし、ないかもしれない」その彼は、定位置に座ってまるで我が家のようにくつろいでいた。彼と真剣にゲームをしたり、呑気に日々への葛藤を語ったりする時間は、いつもあっという間に過ぎる。私の家を我が物にされるのは困るが、第2の実家だと思っていつでも遊びに来てほしいと強く思う。

「私と長時間ご飯屋で話しまくったことがあるかもしれないし、ないかもしれない」その彼は、自分の選択に迷いがあって、しかし未来を心待ちにしている。現実と非現実の間、自信と不安の間、好きと嫌いの間で揺れていて面白い。刺激的だ。私も、夢と思考を話さずにいられなくなる。時間を忘れて永遠と続けられるトークを、「眠い」「疲れた」という体が発するサインが遮断する。この様子だと、彼と砂漠に閉じ込められても、なんとか大丈夫なのではないかと過信してしまう。

私と彼の関係を、主観的ではなく客観的に見たら、彼は私にとってかなりの最重要人物であることが判明した。彼と共に過ごす時間は何にも代え難い。多くの刺激をもらい、物事への考え方を新しく教わる時もあれば、心から癒され、楽しいと思える時もある。一生付き合っていきたいと願う時も、時々でいいから会いたいと望む時もある。とにかく、彼はそれくらい最重要人物なのだ。心から、出会えたことに感謝したい。

そしてその“彼”とは、"1人"とは限らない。

 

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